加刷切手とは?
加刷切手とは、既に印刷されている切手に文字や図柄を重ね、また違う種類として発行された切手です。
この加刷の有無によって、切手の価値も大幅に変動する場合があり、もちろん切手買取においての買取価格にも影響が出てきます。
「どうして完成している切手に加刷する必要があるの?」と思われるかも知れませんが、切手に加刷が行われる理由については、いくつか挙げられます。
まず、「額面の加刷」においては、新しい額面の切手を発行する際、製造が間に合わなかったなどの理由で発行されることがあります。
そして、戦時中に発行された切手に関しては、国名などの加刷がされる場合があり、太平洋戦争の際には「南方占領地切手」という切手が発行されていました。現地の切手に「ダイトーアセンソーイツシューネンキネン」と、カタカナが加刷された切手が有名です。
日本の切手の歴史において最も知られる加刷切手は、やはり記念切手のジャンルではないでしょうか。例えば、日本で発行された「シンガポール陥落記念切手」は、そのときに発行されていた普通切手に、文字と寄付金を加刷した「寄付金付き記念切手」として発行されました。その他にも、記念切手として発行された加刷切手は多く存在します。
加刷して記念切手を作るメリットとして「記念切手を手早く発行することが出来、切手収集を活性化することが出来る」という理由が挙げられます。
加刷切手は基本的に希少価値が高く、切手買取においても高い買取価格で買取される場合が多いです。
ですが、加刷切手は「切手に加刷をするだけ」で簡単に作ることが出来るので、偽造品も多く存在します。切手買取の際は、査定員が切手の真贋含めて査定してくれるので安心ですが、加刷切手をオークションなどで購入される際には、すこし注意したほうが良いかも知れませんね。
例えば、中国切手にも加刷切手があります。万里の長城切手に金色の文字で加刷した切手は「第31回リチオーネ国際切手展加刷切手」と呼ばれ、加刷前の切手よりも3~5倍前後の価値が付きます。もちろん、切手買取においても高い買取価格が見込めるプレミア切手です。
ですが、切手に金色の文字で加刷するだけで、似たような切手が簡単に作れてしまうので、近年、偽装品が多い中国切手のひとつとしても知られています。